最近、YouTubeで保護猫活動の動画を見ている方も多いのではないでしょうか?
動画の中で、親猫がいなくて「子猫たちだけ」でポツンと取り残されているシーンを見て、「どうしてここに子猫だけ?」「野生ではどうやって大きくなるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、猫の親離れ・子離れの仕組みや、野生の猫たちがどのようにして母乳から卒業(離乳)していくのか、その知られざるステップをまとめてご紹介します。
保護活動の動画で子猫だけになっているのには、実は猫の習性に基づいた理由があります。
母猫が命がけでご飯を探している:授乳中の母猫は普段の数倍のエネルギーが必要です。子猫を安全な場所に隠し、遠くまで獲物を探しに行っています。
引っ越しの途中:危険を察知した母猫が子猫を1匹ずつ口に咥えて移動させている最中で、一時的に留守番状態になっています。
はぐれてしまった・育児放棄:母猫が事故に遭って戻れなくなったり、若すぎて育て方がわからず置いていってしまうケースもあります。
プロの保護活動者さんは、見つけてもすぐには触らず、母猫が戻ってこないか遠くからそっと見守る「見極め」を必ず行っています。
猫の親子離れは、生後1ヶ月半頃から始まり、生後6ヶ月頃までに完全に完了します。
生後1ヶ月半〜2ヶ月:母猫が授乳を拒むようになり、社会的なルールやトイレを教え込みます。
生後3ヶ月〜4ヶ月:母猫が次の妊娠の準備に入るため、近づく子猫を威嚇したりして距離を置き始めます。
生後6ヶ月:子猫の縄張り意識が芽生え、完全に独立します。
野良猫(厳しい自立):母猫が子猫を縄張りから激しく追い出す「子別れ」を行います。その後は「他人の猫」となり、縄張り争いで喧嘩をすることもあります。
飼い猫(同居を続ける):十分なフードと安全があるため激しい追い出しは起きず、成長後は「親子」ではなく「同居する猫友」として仲良く暮らすことが多いです。
人間に保護された子猫はペースト状の離乳食をもらいますが、野生の環境では何を食べているのでしょうか?
実は、母猫がネズミ、小鳥、虫などの「生の獲物」を寝床に運んできて、驚くほど段階的な「食育」を行います。
ステップ1:噛み砕いた肉(生後4〜5週)
母猫が自分で狩った獲物を、わざわざ半分噛み砕いたり、胃の中で消化しかけたものを吐き戻したりして、柔らかくした状態で与えます。これが人間の「離乳食」の代わりになります。
ステップ2:死んだ獲物で練習(生後5〜6週)
新鮮な獲物を丸ごと持って帰り、母猫が目の前で食べてみせることで「これは食べ物だよ」と教え、残りを分け与えます。
ステップ3:生きた獲物で訓練(生後6〜7週)
あえて弱らせた「生きた獲物」を連れて帰り、子猫たち自身の力でトドメを刺させる実地訓練を行います。
ステップ4:一緒に狩りに出る(生後2ヶ月以降)
完全に離乳した子猫を連れて外に出て、一人前のハンターになるための技を伝授します。
※都会の野良猫の場合は、生ゴミの中の肉や魚、人間が置き去りにしたキャットフードの場所を教えて離乳させることもあります。
人間の作る離乳食は、野生の母猫が子猫のために用意する「柔らかいお肉」を再現したものだったのですね。
動画の裏側にある猫たちの本能や、母猫の命がけの教育を知ると、保護猫活動の動画がまた違った視点で見えてくるかもしれません。