涼しくなってきて、「ごはんの食べっぷりが良くなった」と感じていませんか。夏バテで落ちていた食欲が戻り、散歩も歩きやすくなる秋は、体調を整えやすい一方で、体重が少しずつ増えやすい季節でもあります。
やっかいなのは、毎日見ている家族ほど変化に気づきにくいことです。海外の調査でも、獣医師が「太りぎみ」と判断した犬について、飼い主自身は適正体重だと思っているケースは少なくないと報告されています。
この記事は一般的な情報です。適正体重や減量の進め方は、犬種・体格・年齢・持病によって異なります。気になる変化がある場合は、自己判断で食事を減らす前に、かかりつけの動物病院へ相談してください。
体重計の数字は「増えたか減ったか」を教えてくれますが、「今の体重が適正か」までは分かりません。同じ体重でも、骨格や筋肉のつき方によって適正は変わるからです。そのため獣医療では、数字と合わせてBCS(ボディ・コンディション・スコア)という体型の指標を使います。環境省のガイドラインでも、理想は「肋骨が容易に触れる」状態とされています。適正かどうかは触って、変わったかどうかは数字で。この2つは役割が違います。
体重の増加は、関節への負担や糖尿病、心臓・呼吸への負担につながると報告されています。とくにシニア期は、少しの増加でも歩きにくさとして表れることがあります。
肋骨:手のひらを軽く当てて、うっすら骨の凹凸が分かる(強く押さないと分からないなら太りぎみ)
上から見る:腰のあたりがゆるやかにくびれている
横から見る:おなかのラインが後ろ足に向かって上がっている
ブラッシングのついでに、月に一度触って確かめるだけでも十分です。「先月より分かりにくくなった」という変化に気づけます。
環境省のガイドラインでは、おやつは1日に必要なカロリーの20%以内にとどめ、与えた分はフードを減らすことが勧められています。海外の指針では10%以内を推奨するものもあります。しつけのごほうびは、いつものフードを一部取り分けて使うと、増えすぎを防げます。
急な減量は体調を崩す原因になります。とくに猫は、食べない状態が続くと肝臓に脂肪がたまる病気(肝リピドーシス)のリスクがあるため、絶食に近いダイエットは危険です。ガイドラインでは、軽度から中程度の肥満なら食事量を通常の30〜40%減らし、1週間で体重の1〜3%が減るくらいのペースが目安とされています。空腹を訴える場合は、1日分を3〜4回に分けて与えると落ち着きやすくなります。
体重は一度きりの数字ではなく、流れで見ると変化に気づけます。抱っこして量ってから自分の体重を引く方法でも記録は始められますが、家庭用の体重計は100g単位のものが多く、3kgの猫の3%にあたる90gのような小さな変化までは拾えません。小型犬や猫では、細かい単位で量れる体重計があると変化がはっきり分かります。ハッピーペットライフのようなアプリのカレンダーに残しておくと、家族で共有でき、おやつを誰がどれだけ与えたかも振り返れます。
食事を変えていないのに体重が動く場合は、病気が隠れていることがあります。次のような様子があれば、早めに相談してください。
食事量を変えていないのに、1か月で体重が5%以上増えた、または減った
水を飲む量や尿の量が増えた
階段や段差を嫌がる、遊びたがらない
少し動いただけで呼吸が荒くなる
毎月の体重測定と、食事量を正確に量ることを続けやすくする道具です。
太っているかどうかは肋骨とくびれの感触で、増えたか減ったかは体重の数字で確かめる
おやつは1日のカロリーの2割まで。減らすときは1週間に1〜3%のペースで
月に1回、同じ日に量って記録すると、小さな変化に気づける
秋は体調を整えやすい季節です。食欲が戻ってきた今のうちに、触って確かめる習慣をつくっておきましょう。